第6章 彼女らしくない

美雪は杏奈の心配顔を見て、身体の芯から冷えた。

この手が、どうやって自分の首を絞めたのか。どうやって何度も何度も水の中へ押し込んだのか。

溺れていく自分を見ながら、杏奈がほとんど狂ったように笑っていた顔も――忘れられない。

杏奈はなおも柔らかく問いかける。

「美雪。酸素ボンベまで用意してたのは……杉浦家を出ていきたかったから?」

杉浦杏奈の詰問を受け、杉浦美雪の顔色がさっと悪くなった。次の瞬間、小さく震えだし、そのまま力が抜けるように崩れ落ちる。

「美雪? 美雪っ!」

杉浦三芳が杉浦杏奈を押しのけ、娘を強く抱きしめた。

けれど、杉浦美雪から反応はない。指先だけが、なおもシーツを...

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